岡崎平内邸(鳥取市)概要: 岡崎平内邸は江戸時代後期の天保6年(1835)に建てられたもので、11代将軍徳川家斉の娘である泰姫が鳥取藩9代藩主池田斉訓に輿入れする際、江戸藩邸の泰姫居宅の試作品として建てられました。その為、通常の武家屋敷と比べると仕様の格式が高く材料などが良質のものを利用し、柱も太く、壁材として利用された土も良質で、意匠的にも数奇屋風を採用するなど、簡素で質実な武家屋敷とは異なり随所に身分の高い人物の住まいとしての気配りが見られます。当時の当主、岡崎平内可之は銀札場御用や裏判所勝手方御用の元締め役を務めた人物で泰姫御殿の建設を命じられています。明治維新後、鳥取県が立県するものの明治9年(1876)に島根県に併合、この際、鳥取県再建運動を展開したのが岡崎平内可之で明治14年(1881)には再び鳥取県が独立しています。これらの活動が評価され初代鳥取県議会議長や初代鳥取市長、帝国議会議員などの要職を歴任し、この住宅の歴史的な意義も高いとされます。又、日本初の女性弁護士となった中田正子が住した事でも知られています。
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