大雲院(鳥取東照宮・樗谿神社:別当寺院)概要: 乾向山大雲院東隆寺は鳥取県鳥取市立川町4丁目に境内を構えている天台宗の寺院です。大雲院の創建は慶安3年(1650)、鳥取藩主池田光仲が樗谿神社(現在の鳥取東照宮)の別当寺院として開いたのが始まりとされます。光仲は幼少期に鳥取藩主となった為、成人になるまで江戸で待機を命じられ、19歳になり初めて持城である鳥取城に入りました。その為、光仲の権威の強化を図る必要性があり曽祖父である徳川家康の分霊を日光東照宮(栃木県日光市)から勧請しました。開山は上野寛永寺の公海大層正の弟子実成院公侃(松平石見守輝澄の6男、池田光仲の従兄弟)で、東照宮の祭祀を司るだけでなく歴代徳川将軍の位牌所や池田家歴代の祈願所にもなりました。
当初は淳光院と称していましたが文化11年(1814)に現在の寺号である大雲院に改称、池田家から寺領500石を安堵される等庇護された結果寺運も隆盛し境内には七堂伽藍が建ち並び内坊4ヶ寺を擁する大寺院として発展し領内の中心的な寺院となりました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により東照宮から独立し、さらに鳥取藩が廃藩になると庇護者を失い衰微し、末寺であった霊光院の境内(現在地)に移っています。
大雲院の寺宝である金字法華経巻二巻・四巻(伏見天皇御宸翰)は鎌倉時代に製作されたもので昭和17年(1942)に国指定重要文化財に指定されています。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行5間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。中国三十三観音霊場第33番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:おいずるを 脱ぎて納める大雲院 大悲の影の 身に巡り来て)。山号:乾向山。院号:大雲院。寺号:東隆寺。宗派:天台宗。本尊:阿弥陀如来。
大雲院:上空画像
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