日吉神社(鳥取市)概要: 日吉神社は鳥取県鳥取市布勢1丁目に鎮座している神社です。案内板によると「 日吉神社は、国の史跡「布勢古墳」と同じ兵陵の山地内にあって、俗に「布勢の山王さん」と呼ばれ親しまれている。室町時代の守護大名山名氏が天神山城を因幡支配の拠点とするとき、近江国の坂本から日吉神社の御分霊を勧請して祀ったのが始まりと伝えられる。小児の疳を治す神社としても有名である。 鳥取市教育委員会 」とあります。日吉神社の創建は文和元年(1352)、周辺6箇国の守護職となった山名氏が文和3年(1354)に日吉大社(滋賀県大津市坂本)の分霊を勧請したのが始まりとされます。
日吉大社が京都御所の鬼門鎮護である比叡山延暦寺の鬼門鎮護で守護神だった事に因み、山名氏の居城で因幡国の守護所が設けられた天神山城から見て北東方角に当たる当地に社殿を造営し、布勢山を比叡山、湖山池を琵琶湖に見立て周辺の地名も近江湖畔にある地名と同様のものに改称しました。
日吉神社は山名氏の庇護の下社運が隆盛し、門前には数多くの支院が境内を構えました。江戸時代に入ると鳥取藩の藩主池田家が徳川家の血筋であった事から、徳川家康が祀られている日光東照宮の別当である寛永寺が比叡山延暦寺と同様に天台宗で日吉神社(山王日枝神社)を守護神としていた事から当社を篤く帰依しました。池田家は幼少時の一族を氏子と定め、代々の祈願所とし参勤交代での道中安全が祈願が行われました。
社殿のくくり猿を持ち帰ると子供の病気が平癒することから信仰する人が多く、例祭の日には数多くの信者が参拝に訪れます。境内にある宝篋印塔は南北朝時代前期から中期にかけて製作されたもので花崗岩製、4面には金剛界四仏の梵字が刻まれ、「中心飾りつき格狭間」をもっているなど但馬・丹波地方の特色を備えている貴重なものとして昭和56年(1981)に鳥取市指定有形文化財に指定されています。祭神:太山祇大神、太山咋大神、大己貴大神、少名彦名大神、猿田彦太神、素盞鳴太神。
日吉神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-鳥取市教育委員会
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