小川家住宅(倉吉市)概要: 小川家は古くから醸造業を営んでいた旧家で格式のある家柄です。現在の主屋は明治時代に建てられたもので、木造2階建、切妻、桟瓦葺、平入、増築した為か左右で外壁の仕上げが異なり下屋の高さも段差が生じています。敷地間口も広く直接敷地内に入れる棟門も設けられていて格式の高さが感じられます。東側には大正時代に増築された洋館は木造平屋建、正面には左右2本づつの円柱が設けられ上部の柱飾をギリシャ神殿で見られるコリント式オーダー風に仕上げています。
小川酒造主屋は明治時代に建てられた町屋建築の遺構で大正時代の洋館が増築されるなど当時の豪商の生活の一端を知る上でも貴重な存在です。小川酒造主屋は「造形の規範となっているもの」との理由から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録されています。
さらに、主屋の他、昭和前期に建てられた新座敷や茶室(清和軒)、洋館、酒造ビン詰場、仕込蔵、酒造槽場、酒造二階蔵、酒造三階蔵、道具蔵が平成27年(2015)に鳥取県指定保護文化財に指定されています。
小川氏庭園は昭和5年(1930)頃に神戸出身の庭師巽武之助が作庭したもので池泉回遊式庭園の「環翠園」と「前庭」「中庭」から構成され、個人所有の近代庭園としては山陰屈指の規模で意匠にも優れている事から平成22年(2010)に国登録記念物に登録され、平成27年(2015)に鳥取県指定保護文化財に指定されています。
小川家住宅:上空画像
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