不動院岩屋堂(若桜町)概要: 不動院岩屋堂は鳥取県八頭郡若桜町岩屋堂に境内を構えている真言宗醍醐派の寺院です。不動院の創建は不詳ですが伝承によると平安時代初期の大同元年(806)に開かれたのが始まりと伝えられています。当初は妙見山神光寺と称し密教系寺院として修験道の拠点として寺運が隆盛し最盛期には境内には七堂伽藍が建立され寺領150石を領する大寺院でしたが、戦国時代の天正9年(1581)、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の因幡侵攻の兵火により岩屋堂だけを残し焼失し荒廃しました。
現在の不動院岩屋堂は室町時代初期(南北朝時代:14世紀初期)に建立されたと推定される建物で、江戸時代中期の安永年間(1772〜1781年)に大修理が行われています。桁行3間(5.4m)、梁間4間(7.1m)、高さ約10m、屋根形式は正面入母屋、背面切妻、とち葺、外壁正面に花頭窓付、正面、東側に高欄付、崖造、建物全体が天然の洞窟に収まった所謂「投入堂」形式で、三徳山三仏寺(鳥取県三朝町)、龍岩寺(大分県宇佐市院内町)と共に日本三大投入堂に数えられています。
不動院岩屋堂は三仏寺の投入堂(国宝)などとともに、地方建築の独自性をもった好例とされ、大変貴重な事から昭和28年(1953)に国指定重要文化財に指定されています。又、平成8年(1996)と平成17年(2005)に選定された「鳥取県民の建物100選」の区分「ふるさとの祈り(神社・寺院等)」に選定されています。
宗派:真言宗醍醐派。本尊の黒皮不動明王は弘法大師空海(真言宗開祖)が33歳の時に自ら彫刻したと伝わるもので目黒不動(東京都目黒区下目黒)と目赤不動(東京都文京区本駒込)と共に日本三大不動明王に数えられています。
不動院岩屋堂:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-鳥取県教育委員会・不動院岩屋堂
|
|