興雲寺(智頭町)概要: 龍吟山興雲寺は鳥取県八頭郡智頭町大字智頭に境内を構えている曹洞宗の寺院です。興雲寺の創建は不詳ですが古くは臨済宗妙心寺派の寺院として牛臥山の山裾に開かれていました。記録的には天文10年(1541)に興雲寺の僧が万里小路惟房の所に訪ねた事が日記に記されています。文禄2年(1593)の大洪水(高麗水)で多くの堂宇が土砂に埋もれ衰退しましたが檀家達が寛永2年(1625)に由山大和尚(鳥取天徳寺5世)を招いたことで曹洞宗の寺院として再興され寺号を興雲寺と改めました。
智頭宿は鳥取藩主の参勤交代で宿泊で利用する重要な宿場町で寛永9年(1632)に初代藩主池田光仲が国替えの際、父親(池田忠雄)の位牌を興雲寺に宿泊させた縁で歴代藩主から寺領を安堵されることになりました。宝暦11年(1761)と明治17年(1884)の火災により多くの本堂が焼失し、明治31年(1898)に再建されたのが現在の建物で入母屋、桟瓦葺(赤瓦)、平入、正面1間向拝付、外壁は大壁造り、白漆喰仕上げ(防火建築として計画されたようです)。
興雲寺の寺宝である弘法大師坐像は仏師国米泰石(智頭町出身、東京美術学校教授)が彫刻したもので檜材、像高17cm、昭和52年(1977)に智頭町指定文化財に指定されています。因幡三十三観音霊場第20番札所。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来坐像(脇侍:普賢菩薩、文殊菩薩)。
興雲寺:上空画像
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