地蔵院(倉吉市)概要: 大滝山地蔵院は鳥取県倉吉市関金町関金宿に境内を構えている真言宗御室派の寺院です。地蔵院の創建は天平3年(731)、行基菩薩(奈良時代の高僧、日本初の大僧正、東大寺四聖)が開いたの千光寺の本坊だったと伝えられています。その後、千光寺は文治4年(1188)に源頼朝の命を受けた佐々木四郎高綱が堂宇を再建し、境内には七堂伽藍と42坊が建ち並んだと云われています。天文13年(1544)に大洪水となり42坊など多くの堂宇が被害を受けましたが幸いにも大滝山観音堂と地蔵菩薩半跏像は無事でした。
千光寺は度重なる水害などにより衰微し明治時代初頭に発令された神仏分離令と廃仏毀釈で廃寺となり、名跡を継いだ地蔵院が現在地に境内を移し同時に地蔵菩薩半跏像も遷されました(当時の境内に残されている大滝山観音堂は遺構の1つで現在は地蔵院の奥之院という位置付けとなっています)。往時は「関の地蔵さん」として広く信仰され地蔵院伝記では「・・・遠近をいちわず諸人袖をつらね、参拝群集は櫛の歯を研ぐがごとく繁昌の霊場・・・」と記載されています。
地蔵院の寺宝である地蔵菩薩半跏像は鎌倉時代(寛永17年:1640年に現在の岡山県津山市出身の別所六右衛門道忠により修復)に制作されたと推定される木像(像高3.44m、檜材、寄木造)で昭和54年(1979)、国指定重要文化財に指定されています。その他の寺宝としては擬宝珠(至徳2年:1385年、伯州瀧山寺願主聖舜至徳二年の銘)と青磁香炉(中国宋代、竜泉窯の青磁香炉を納めた経塚埋納品)が昭和29年(1956)に鳥取県指定文化財に指定されています。山号:大滝山。宗派:真言宗御室派。本尊:大日如来。
地蔵院:上空画像
|