大山寺阿弥陀堂概要: 阿弥陀堂の創建は藤原時代(平安時代中期〜後期)、大山寺伝承によると貞観7年(865)に慈覚大師円仁(平安時代の高僧、第3代天台座主、入唐八家)が開いたと伝えられているもので、往時は常行三昧堂と呼ばれ桁行24間、梁間24間の巨大な建物でした。享禄2年(1529)の大洪水により山津波が発生、阿弥陀堂は大きな被害を受け、天文21年(1552)に古材(主要部は鎌倉時代、三斗組、九柱、間斗束などの組物は弘安年間:1278〜1287年)を利用して現在地に再建されました。現在の阿弥陀堂はその当時のもので、桁行5間、梁間5間、宝形造、こけら葺、正面に1間向拝付、外壁は真壁造、板張り、側面花頭窓付、当時の大山寺唯一の古建築物として大変貴重な存在で明治37年(1904)2月18日に国指定重要文化財に指定されています。
大山寺阿弥陀堂に安置されている本尊の阿弥陀三尊像(阿弥陀如来・脇侍:観音菩薩・勢至菩薩)は天承元年(1131)に仏師良円によって製作されたもので中尊の阿弥陀如来座像はトチノキ、寄木造、像高2.66m(丈六)、脇侍の観音菩薩像は像高270cm、勢至菩薩は像高263cm、彫刻史上極めて価値が高いことから明治36年(1904)4月15日に国指定重要文化財に指定されています。又、境内には基好上人の墓が建立され、案内板によると「 承安の頃(約800年前)天台の密教をもって、天下に名を知られた高僧で、後に臨済宗を開いた「栄西」も師事し、密教の戒律を伝授された。」とあります。伯耆三十三観音霊場第14番札所(札所本尊:観音菩薩)。宗派:天台宗。本尊:阿弥陀三尊。
大山寺阿弥陀堂:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-大山町
・ 現地案内板
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