南苑寺(三朝温泉)概要: 万年山南苑寺は鳥取県東伯郡三朝町大字三朝に境内を構えている臨済宗相国寺派の寺院です。南苑寺の創建は大正14年(1925)に、独山禅師(林松次郎)が開基となって開いたのが始まりとされます。禅師は若くして京都の富岡鉄斉(明治時代から大正時代に活躍した画家、文人、儒学者、日本最後の文人とも称されています。)に師事し、書画等に精通しましたが、その後仏門に入り明治43年(1910)に臨済宗相国寺派の管長となり、後年、三朝温泉に湯治した結果持病である神経痛が完治した縁でこの地に南苑寺を開きました。
南苑寺山門は大正14年(1925)に建てられたもので入母屋、桟瓦葺、上層部の楼閣は真壁造、素地板張、正面背後は格子戸、左右の開口部は花頭窓、下層部は大壁造、白漆喰仕上げ、開口上部が曲線となっている竜宮門と呼ばれる楼門形式で異彩を放っています。庫裏は木造2階、入母屋、妻入、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、2階には高欄を廻し、大きな花頭窓を設けるなど寺院建築としては印象的な建物で、山門から正面に配置されるなど特異な存在となっています。
南苑寺本堂は寄棟、桟瓦葺、懸造(崖地に建物が張出すように建てられた建築形式)、境内の最奥地にあり威容を誇っています。隠寮は木造平屋建、2重入母屋、桟瓦葺、丸窓、数寄屋風建築です。南苑寺の本堂、隠寮、庫裏、山門は「国土の歴史的景観に寄与している」との登録基準を満たしている事から平成22年(2010)に国登録有形文化財に登録されています。山号:万年山。宗派:臨済宗相国寺派。本尊:薬師如来。
南苑寺:上空画像
懸造を簡単に説明した動画
|