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【板井原集落】−板井原集落(鳥取県智頭町)は全国的にも珍しい県選定の伝統的建造物群保存地区の集落で、集落内にある110棟の建物の殆どが昭和40年代以前に建てられ、その内23棟が昭和初期以前のものとされます。現在どの位、住民の方が住んでいるのかは判りませんが、少なくとも数十年は建物の建替えが行われず昭和40年代から時間が止まったような印象を受けます。旧智頭小学校板井原分校(現在は板井原公民館:昭和以前建築、木造2階建、切妻、金属板葺、建築面積36u、国登録有形文化財)がある事からも往時は一定以上の人口があり、子供達も多く生活していたようですが、撮影時には子供の姿を見る事はありませんでした。
基本的には廃屋が多いようですが、隙間からは往時の生活道具がそのままの姿で残され、養蚕などで使われたと思われる器具や水車なども見られます。又、道路と集落の間は赤波川が横切り、現在も集落の内部には車道(道は舗装されていない幅員1.8m程度の生活道)が無く、車が直接入る事が出来ません。
異彩を放つのは明治32年(1899)に建てられた藤原家住宅(智頭町指定文化財)で、木造平屋建て、入母屋、茅葺、平入、建築面積118u、現在では板井原集落唯一の茅葺の建物で敷地内では3棟の土蔵(本蔵・味噌蔵・蔵)と養蚕場(昭和初期、木造2階建)、倉庫が残され、往時の姿を良く留めています。その他にも鎮守である向山神社(本殿・拝殿・覆殿・籠堂:国登録有形文化財)や六地蔵(文政6年:1823年建立)、大日堂(江戸時代建立)などがあり、郷愁をさそう農山村集落の景観を見る事が出来ます。
詳細は不詳ですが因幡国一之宮である宇倍神社(鳥取県鳥取市国府町宮下)の御神体を納めた鍵を板井原集落が管理し、例祭の際には神官が態々当地まで鍵を借り受けるという神事が行われていたそうです(現在は宇部神社に返却されたそうです)。真偽は判りませんが平家落人伝説も伝わっており謎の多い集落とされます。
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