元結掛堂(三徳山三佛寺)概要: 三佛寺元結掛堂は江戸時代初期に鳥取藩主池田光仲(徳川家康の曾孫)によって再建されたと推定される建物で、一間社、切妻、妻入、こけら葺、見世棚造、基礎石の上に直接柱を乗せ、正面には向拝を設け春日造風の建物です(屋根の反りが薄く、素地、千木・鰹木が見られないので正式な春日造りではないようです。)。名称の由来は不詳ですが「元結」とは「日本髪を結うとき髪の根もとを束ねるのに使う紐」の事から、ここで新しい紐で髪を結い直し、古いものを収めたのかも知れません。本尊の「悉多太子」は釈迦が出家前で太子だったときの名称である事からも生まれ変わりの意味があり、髪を結い直す事で新しい自分を見つめ直す、身を清める、過去を清算するといった意味が込められているように思えます(※剃髪した僧侶の髪の毛を収める御堂だったそうです)。元結掛堂は江戸時代初期の社殿建築の遺構として貴重な事から昭和50年(1975)に三朝町指定保護文化財(建造物)に指定され、平成14年(2002)に「三徳山三仏寺建造物群(不動堂、元結掛堂、観音堂、鐘楼堂、十一面観音堂、本堂)」として鳥取県指定保護文化財に指定されています。本尊 悉多太子。
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