十一面観音堂(三徳山三佛寺)概要: 別称は野際稲荷。本尊は十一面観音。一間社、切妻、こけら葺、妻入、正面に1間向拝付、春日造風、釘隠しや金具、拝懸魚、降懸魚(桁隠し)の彫刻など江戸時代中期の社殿建築の様式を留めています。十一面観音堂は江戸時代中期の社殿建築の遺構として貴重な事から昭和50年(1975)に三朝町指定保護文化財(建造物)に指定され、平成14年(2002)に「三徳山三仏寺建造物群(不動堂、元結掛堂、観音堂、鐘楼堂、十一面観音堂、本堂)」として鳥取県指定保護文化財に指定されています。宿入橋を過ぎて十一面観音堂から難所の1つ「かずら坂」が始まる事から往時は俗世空間と神聖空間を分けるある種の結界神だったと思われます。詳細は不詳ですが別称の「野際稲荷」や御堂が神社の本殿建築の形態をしていることから往時は神社としての位置付けで、明治時代初頭に発令された神仏分離令により稲荷神を廃して十一面観音を本尊として迎え観音堂に改称したと思われます。
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