納経堂(三徳山三佛寺)概要: 三佛寺納経堂は案内板によると「 鎌倉時代の春日造り本殿建築。投入堂と同じく慶雲3年(706)の創建と伝う。法華経、華厳経の写経(建徳、至徳などの年号あり)が多数おさめてある。」とあります。納経堂は一間社、切妻、こけら葺、妻入、正面向拝付の春日造風の見世棚造の建物で、鎌倉時代後期に建てられたの春日造本殿建築の遺構として大変貴重なことから明治37年(1904)に国指定重要文化財に指定されています。納経とは現世の安穏、死者の追善供養、来世の吉祥祈願など、自らの願い込めて神社や寺院に経文(仏教の経典・宗教上の教えを記した神聖な書物)や、写経(経文を書き写したもの)を奉納する事で、納経堂とはそれらを収める御堂の事です。案内板にあるように奉納されている写経の中には建徳(西暦:1370〜1372年)や至徳(西暦:1384〜1386年)の年号がある事から当時から三佛寺に納経する人が数多くいたと思われます。納経堂にも大小ありますが、三佛寺のように小規模の場合、老朽化すると建替えられる場合が圧倒的に多い事から、鎌倉時代後期の納経堂の建物が現存する自体が極めて珍しいと思われます。
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