転法輪寺(琴浦町)概要: 湯谷山転法輪寺は鳥取県東伯郡琴浦町別宮に境内を構えている天台宗の寺院です。転法輪寺の創建は不詳ですが承和年間(834〜848年)に慈覚大師円仁(平安時代の高僧、天台宗第3代座主、入唐八家)が開基したのが始まりと伝えられています。醍醐天皇の皇子と云われる空也上人が諸国を行脚し天禄2年(971)に当地に訪れ翌年天禄3年(972)にこの地で亡くなったとされます(諸説あり:一般的には天禄3年に六波羅蜜寺で没)。享年70歳。その後、円融天皇が帰依し堂宇造営を行うと阿弥陀如来立像を本尊として勧請し空也上人尊像を脇侍とし転法輪寺の勅号を授けました(万治年間:1658〜1660年に空也上人尊像が再び本尊となっています)。
現在の転法輪寺本堂は延享3年(1746)に空也上人の尊像を祀る為に造営されたもので木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺(旧茅葺)、妻入、間口3間、奥行5間、正面1間向拝付、外壁は真壁造、素木板張、江戸時代中期の寺院御堂建築の遺構で「歴史的景観に寄与している」との登録基準を満たしている事から平成22年(2010)に国登録有形文化財に登録されています。本堂には空也上人修行姿の木像(像高91cm)と、入定姿の木像(像高86cm)が安置され、寺宝として空也上人御事業蹟絵巻を所持、境内には空也上人の供養塔が建立されています。山号:湯谷山。宗派:天台宗。本尊:阿弥陀如来。
転法輪寺の文化財
・ 木像空也上人像(2体)−藤原時代−鳥取県指定保護文化財
・ 木造阿弥陀如来立像(旧本尊)−藤原時代−鳥取県指定保護文化財
・ 空也上人御事業蹟絵巻-江戸初期,全長12.2m,幅33p-琴浦町指定文化財
・ 絹本著色十六善神図−室町、縦10p6、幅36p−琴浦町指定文化財
・ 大イチョウ−樹高24m、幹周5.8m−鳥取県指定天然記念物
・ 大イヌグス−樹高15m、幹周4.7m−鳥取県指定天然記念物
・ ムクロジ−樹高22m、幹周2.6m−琴浦町指定天然記念物
・ 伝空也上人供養塔(古墳群)−琴浦町指定史跡
・ 転法輪寺本堂−延享3年−入母屋桟瓦葺、5×3間−国登録文化財
転法輪寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-琴浦町教育委員会
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