退休寺(大山町)概要: 金龍山退休寺は鳥取県西伯郡大山町退休寺に境内を構えている曹洞宗の寺院です。退休寺の創建は南北朝時代の延文2年(1357)、当時の岩井垣城の城主箆津敦忠が源翁(玄翁)和尚を招いて開いたのが始まりと伝えられています。伝承によると敦忠の正室が病死すると、夢枕に妻の亡霊が立ち体調を崩した為、源翁和尚を招き祈祷してもらうと妻の亡霊は成仏し現れなくなりました。敦忠は源翁和尚の法力に帰依し退休寺の創建に至ったそうです。源翁和尚は法力に優れ、その後、朝廷に悪事を働いた白面金毛九尾の狐の化身が殺生石(那須温泉:栃木県那須町)となり那須地方の住民に悪さを繰り返していたところ、その殺生石を法力によって打ち砕いたと伝えられています。
退休寺は至徳3年(1386)、源翁和尚の功績から後小松天皇から熊能照禅師の勅賜号と金龍山の勅額が下賜されたことで後小松天皇の勅願所となり勅使門を建立するなど寺観を整えて、以後、天皇の勅願所として寺運が隆盛し参道には「西来院」、「慶壽院」、「大慈院」、「普門院」、「松林院」の5院が建ち並んでいたそうです。慶長13年(1608)と昭和16年(1941)に火災により多くの堂宇が焼失しましたがその都度再建されました。
現在の退休寺勅使門と土塀は承徳2年(1653)に再建されたもので切妻、銅板葺き、一間一戸、正面千鳥破風、四脚門、門扉や棟には「菊の御紋」が掲げられています。退休寺の勅使門と土塀、後小松天皇御宸筆の勅額は昭和51年(1976)に大山町指定保護文化財に指定されています。本堂は平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き。山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚楼門。伯耆三十三観音霊場第20番札所(札所本尊:聖観音)。中国三十地蔵尊霊場第27番札所(札所本尊:子育地蔵)。山号:金龍山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦牟尼。
退休寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-大山町教育委員会
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